レブロ活用事例

レブロを活用した施工BIM と自社工場で独自の加工&施工一貫体制を確立!新たな成長期を迎えた配管工事のプロたち

岩手県北上市にある近藤設備は、冷暖房空調設備から給排水衛生設備、消火設備、プラント配管まで、幅広い設備工事を手がける配管工事のスペシャリスト集団である。近年は特に、自社加工センターを設けて独自のプレハブ配管・配管ユニット等を設計・加工して、現場へ納品・施工するトータルな加工&施工体制を確立。急速に売上を伸ばしている。そして、この一貫体制を支えるのが、各種の最新機器を網羅した自社加工センターと建築設備CAD「Rebro(レブロ)」を活用した施工BIMである。その展開の詳細について、同社の近藤正彦社長と髙橋広平専務にお話を伺った。

設計~加工〜施工を自社で完結

 「ウチは根っからの工事屋ですよ」。開口一番、そういって近藤社長は笑みを浮かべた。「サブコンの下請けとして実施工・・・工種でいえば配管工を専業とする工事会社として歩んできました。実際、どこよりも質の高い施工をしてきた自負があります。しかし、同時にこれを何とかして脱却したい、とも考えていたのです」。下請けの工事会社としては、配管類の加工等は、通常、発注元のサブコンや製管メーカーに頼るしかない。もし、これらを自社対応できれば、顧客のオーダーにもより的確に、スピーディに応えられる。下請け工事会社としての枠を超えていくことも可能になるのだ。

「そこで、プレハブの仮設工場から、細々と加工管の製作を始めたのです。自社で図面を描き、配管を加工して、技術とノウハウを蓄積し、ようやく北上加工センターを開設したのが2006年のことでした」。
こうして取り組みを開始したのが、設計~加工をトータルに行うプレハブ配管加工と配管加工だった。設備工事の現場を知り尽くした熟練技術者のノウハウを結集し、溶接ロボットなど最新設備を網羅した機械加工による一貫体制で、より高品質で高精度な管製品をローコストで供給し始めたのである。
 「絵を描く、加工する、現場へ運ぶ、そして作る。この一連の流れをワンパッケージとしてブランド化し、他社差別化を図っていこうと考えました」。だが、このスタイルを確立するにはもう一つ大きな課題があった。CADの問題だ。設計部隊を率いる髙橋専務は語る。

 「ずっと使っていた別メーカーのCADも、ある程度は断面を生成できましたが、使い勝手に問題がありました。そのため、作図に時間がかかりすぎるのを、我慢しながら使っている状態でした」。工場設備を整えノウハウを蓄積しても、それだけでは質の高い配管加工はできない。何をどう加工するのか、的確に指示する高精度の図面が必要なのである。しかも、それは工事進行に合わせスピーディに提供されなければならない。
 「以前のCADではそれが難しく、それどころか届けた加工品が現場で納まらず、やり直しになるケースもありました。ですから、なんとかして図面の精度を上げたかったのです」(髙橋氏)。
 こうした背景から、2010年より髙橋氏が中心となり、CADの選定が開始された。ちょうど業界では3次元CADが次々登場し、図面の3次元化とBIMへの展開が謳われ始めていた頃である。髙橋氏も3次元による工場と現場との連携を視野に、主要な3次元CAD製品を比較検討。最終的に同氏が選んだのが、NYKシステムズの レブロだった。

現場と工場を緊密に結ぶ施工BIM

「CAD選定で最も重視したのは、3次元CADとして断面を作成した時、“どれだけ細部まで上手く表現できるか”でした。その点、レブロは最初に見た時から“これは良い”と直感しました」(髙橋氏)。たとえばフレア加工のための寸法など、細部にわたる加工に必要な情報まで入力できることも重要なポイントだった。これにより、施工図からそのまま加工図面を生成することが可能となり、加工代など細部までを同社のフレアマシンに設定を取り込めるのである。「そのため、加工図を作成する作業自体がとても容易になりました」と髙橋氏は笑顔で語る。しかも、他社製品からの乗り換えだったにも関わらず、レブロの導入はきわめてスムーズ、かつスピーディに進められた。
 「私も多くのCADに触れてきましたが、わかりやすさ・使いやすさの面でレブロは一段上と感じます。描画がスムーズで、コマンドも必要時にタイミングよく出せるので、誰もが戸惑うことなく操作を習得できるのです」(髙橋氏)。実際、当初は試験運用目的での導入だったが、すぐに活用のフィールドが広がって増設。現在では配備されているレブロがフル稼働している状況だ。実際のレブロ運用は、髙橋氏が率いる若手3名が担当している。髙橋氏を含めたこの4名がモデルを制作し、加工図面へと展開し、工場に渡す。すると工場はこれを元に加工を進め、並行して施工図面もモデルから展開して現場に渡し、現場でもレブロを駆使して、これを活用していく。まさに加工から施工に至る幅広いシーンで、3Dモデルデータを活用する独自のBIMが始まっているのである。
 「私たち工場側だけでなく、各現場の技術者もレブロを使います。ですから、現場からも単品の加工図面があがってきますし、モデルデータは現場の取り合い確認等にも重宝しています。私たちはそうした現場の動きを勘案しながらスケジュール管理し、工場を操業していくのです。まだまだ発展途上ですが、より現場に密着した施工BIMを目指しています」(髙橋氏)。

独自の一貫体制で新たな成長期へ

このように、加工センターの建設とレブロの導入をきっかけに近藤設備は施工BIMの展開を開始し、当初からの企業戦略である「設計~加工~施工一貫体制」を確立した。これにより、同社は新たな成長期を迎えている。
 「完成したのは工場が先でしたが、溶接ロボットなど各種の加工機が実力を発揮できるようになったのは、レブロ導入が大きなきっかけでした。これで多様な図面を生成し、加工まで自社でトータルに行える体制ができ、工場への再投資も可能になったのです」(近藤氏)。現在では、溶接ロボットなど各種の加工機に加え、切断ラインにも数値を入力するだけで切断できるバンドソーを導入。図面の数値データを連携することで、ダイレクトに切断作業を開始できる環境を整えている。
 「緻密な図面があるので、誰にでも形状が理解できるようになり、部品の組み立てミスも激減しています。以前多発していた付け間違いや納入後の返品などのトラブルは現在ほとんどありません」(髙橋氏)。現場での施工の効率化が進み、同時に工場の稼働率も大きく向上した。もちろん、そのほかにも多くの努力があったことは言うまでもないが、この相乗効果は大きかったと近藤氏は言う。
 「10年前まで、当社の売上規模は5~6億円規模に留まっていましたが、今では25億円に達しています。数字的には倍以上の成長です。しかし、その数字以上に、設備業界における当社の位置付けが変わってきたという実感があるのです。いわば業界の末席にいた当社が、レブロという道具とめぐり合い、それを活用することで他社との差を縮めているのです」(近藤氏)。従来はどれだけ良い仕事をしても表に名前が出ないことの方が多かったが、他社にない一貫体制のブランド効果により、顧客から直接指名されるケースも増えているのである。だが、同社はすでにその「次」を目指して新たな一歩を踏み出そうとしている。
 「もちろん技術者のBIMスキルを向上させるのが一番の目標ですが、新しい技術にも積極的に挑戦したいですね。昨年は3Dレーザースキャナを導入し、設備更新工事等で現場調査に活用しました。点群データを点群処理ソフトで加工してレブロでモデリングし、施工図に仕上げたのです。こうした図面や加工品の制作・納品なら全国対応することもできますし、新たな展開も考えられますね」(髙橋氏)。
 「新しい技術を取り入れてできることが広がり、事業規模が拡大しても、私たちが配管屋のプロであることに変わりはありません。そうして蓄積した現場のノウハウを、さまざまに形を変えて多くの現場に提供していきたいのです。そして、地方の小さな会社でも、配管屋のトップを目指せるのだと、そのような流れを作っていきたい。そう考えています」(近藤氏)。

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CORPORATE PROFILE

株式会社近藤設備

本社 岩手県和賀郡西和賀町
代表者 代表取締役社長 近藤正彦
資本金 3000 万円
従業員数 62名(2018年4月現在)
事業概要 冷暖房空調設備工事、給排水衛生設備工事、消火設備工事、プラント配管工事、土木工事、配水管布設工事、その他 管工事の設計施工 ほか
URL http://www.konsetu-iwate.com/