第4回 建設DX展(東京)展示会レポート
2024年12月11日(水)~12月13日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて「第4回建設DX展(東京)」が開催されました。本展示会は、BIMやCAD、業務効率化システムなど建設業のDX技術を紹介する業界最大級のイベントでした。ゼネコン・設備工事会社様をはじめ、会場全体では3日間合計3万人以上の来場者数となり、大盛況の催しとなりました。当社ブースでは、Rebro2025の新機能の紹介を中心にセミナー・実機でのデモンストレーションを行い、大変多くの方にお越し頂きました。本レポートでは実際にブース内で行ったセミナー内容を紹介しております。
当社ブース内セミナーの詳細
会期中ブース内で行いましたセミナーの内容を紹介します。
ブース内で開催したセミナーと同内容の動画を、オンラインで公開しております。
当日ご覧頂いた方も、お時間がなく見逃された方もどうぞご覧ください。視聴をご希望の方は、下記リンクよりお申し込みください。
■レブロの機械作図機能~業務効率に直結するDX化~
当セミナーでは、レブロの機械設備について既存機能も交えながら、Rebro2025搭載予定の新機能を紹介しました。
排煙計算新機能について
Rebro2025では搭載済の排煙計算機能に新機能が追加され、部屋要素に対して、風量や開口率を基に排煙口サイズを選定できます。また、各部屋へ排煙口を一括配置できるため、設計業務の省力化に繋がります。
属性情報【梁下の距離】追加について
Rebro2025では、【梁下の距離】というプロパティ項目が追加されます。梁下の距離ごとに梁を色分けし、図面上で確認できるため、ルート検討の際にご活用頂けます。
技術計算機能の強化について
レブロはシミュレーション機能として排煙計算のほか配管抵抗計算、ダクトの圧力損失計算機能を搭載しておりますが、ルートの始点と終点を選択し、1系統ごとに計算を行う必要がありました。
Rebro2025では、複数の系統を一括で追加・計算する機能へ対応予定のため、技術計算に費やしていた時間を削減できます。
部屋諸元機能の強化について
Rebro2024で搭載済の部屋諸元へ機能追加を予定しています。部屋諸元とは部屋ごとにフロア名や機器数などの諸元情報を登録することができる機能ですが、Rebro2025では計算式・条件式を設定できるようになり、部屋の情報を基に換気風量などを計算し、リストへ登録することができます。
また、リスト内情報の機器数を変更すると、図面上の機器数も変更されます。Excelへの入出力にも対応予定となるため、図面データ受け渡しの際に齟齬がないか、部屋をキーにして確認することができます。
ユーザーインターフェースの強化について
リボンに表示する項目の編集や追加などへ対応予定です。ユーザーがよく使う機能をまとめた独自のタブ等も追加できるようになりますので、操作性の向上に繋がります。
また、ユーザーのよく使うコマンドを表示できるクイックアクセスツールバーのフローティングに対応予定です。作図箇所付近に配置することでコマンド選択時間の省略に繋がります。
そして、レブロ画面を複数モニターへ表示できるよう開発中です。モニターごとに違うレイアウトを表示しながら作図できるため、業務効率向上に繋がります。
Revit連携機能の強化について
Autodesk社のRevitとの連携機能を強化予定です。Revit上の要素データであるファミリ(RFAファイル)を、アドインを経由してレブロのユーザー部材に変換できます。その際、部材ごとに設置方法や形状のフィルタも設定可能です。
このユーザー部材を使えば、レブロで描き始めた物件をRevit形式に変換しても、指定されたRevitのファミリで、納品することができます。
■レブロの電気作図機能~業務効率に直結するDX化~
当セミナーでは電気設備領域におけるレブロのBIM対応、電気機能の紹介をしました。機械設備工事と比較し、電気工事ではBIMの必要性に疑問を持たれる方も多いです。そんな疑問を払拭するためレブロユーザーであるトーエネック様の事例を紹介しつつ、BIMに対応しているレブロを活用することによる施工図業務や発注書作成などを省力化できる既存機能を紹介し、電気工事におけるBIMの必要性を訴えました。また、更に業務効率化を図れるRebro2025搭載予定の新機能について紹介しました。
配線管理と盤の管理連携について
配線を個別に描画しなくても、ケーブルラックなどの要素へ本数を含んだ敷設配線情報を紐づけることができる「配線管理機能」。
配電盤などの繋がり方をツリー上に表示し、盤の合計負荷容量を確認することができる「盤の管理機能」。
この2つの機能を連携させ、盤の系統分岐を配線管理機能で表現することで、分岐ごとの亘長を求められるよう開発中です。また、統合したデータはExcelファイルで出力が可能であり、ユーザーがお使いの幹線サイズ計算ツールに流し込むこと形でご利用頂ける予定です。更に、お使いのツールから、幹線サイズや材料を出力できれば、レブロに取り込むことも可能になります。
日本電設工業協会作成の書式対応
日本電設工業協会様がBIMソフトとの連携を前提に作成した「盤リスト(配電盤、動力盤、分電盤)」についての標準書式への出力に対応予定です。レブロで積み上げた盤情報を利用し、日本電設工業協会様の標準書式でそのまま作成することができますので、資料作成時間の短縮が見込めます。
■DXを加速するレブロの力~スマートな現場作業を実現するアドインとCDE~
当セミナーは、レブロと連携しているアドイン機能を紹介しました。現場で起こりうる課題を、DXを活用していかに解決していくかをご案内しています。
見積もり作業について
レブロに標準搭載されている拾い集計の機能と、更に省力化に繋げることのできるアドインの「みつもりくんdee」との連携について紹介しました。
この連携によって図面を基に、拾いデータの確認・修正、数量の集計から見積書の作成まで一気に行うことができます。図面だけを取り込んで、再度拾うといった作業がなくなるため、積算業務の手間を大幅に軽減することが可能です。
墨出し作業について
墨出し作業の省力化に繋げることのできるGyroEyeインサートの機能について紹介しました。レブロで作図したインサートの情報を、GyroEyeインサートで読み込むことで、MR上にて実現場とデータが重なり合う形で表現できます。
墨出し箇所が容易に把握でき、MR上で完了確認ができるので、墨出し作業時間の削減だけでなく、作業抜け漏れのリスク回避にも繋がります。MRの技術も活用していることから興味を惹かれる方も多くいらっしゃいました。
タブレットアプリについて
現場管理の省力化、BIMとしてモデルを現場で確認や管理を行うことができるタブレットアプリとの連携について紹介しました。
レブロで作図した図面やモデルをタブレットアプリ上で確認、レブロが持つ属性情報を現場での各検査で活用できます。現在いくつかのタブレットアプリと連携済みですが、Rebro2025で新しく連携予定のタブレットアプリも紹介しました。
点群活用について
メンテナンスや修繕の際に役立つ点群データの活用方法としてInfiPointsとの連携について紹介しました。
Rebro2025ではInfiPointsで処理された点群データを参照できるように開発を進めており、点群とレブロのCGを同時に表示することができます。点群の情報のカットや距離の測定も行えまるため、搬入経路や新設・既設の設備での検討にご活用頂けます。
こうして、実際に現場の状況をレブロ上で確認しながら作図・検討を行うことが可能です。従来であれば点群を読み込めるツールとレブロとの間で頻繁にデータのやり取りを行う必要がありましたが、そうした手間を削減し、より手軽にデータ編集を行うことができるようになる予定です。
共通データ環境(CDE)について
こちらの内容ではCDEで求められている要素についてや、Rebro2024で対応しているCDE対応ツールとのアドイン連携について紹介しました。
また、CDEをより手近にするため、当社独自のツール開発を進めております。
■建設業界の現状とBIM対応~レブロ利活用による各業務フローの効率化~
当セミナーでは国交省が推奨している建設DX化の手段の一つである「BIM」について説明しました。属性情報の取扱いに長けたCADとして評価を頂いているレブロを使用した場合、企画・設計・施工・加工・維持管理・改修の各業務・各フローがどのように変化するのか、実機能を交えながら紹介しました。
本レポートでは設計・施工フローのみの紹介のため、その他の業務フローの変化については是非動画をご覧ください。
設計フローの変化について
設計の業務については、基本設計・実施設計・見積作成・確認申請という業務フローにおいて、必要な情報をその都度計算・入力していた事で、複数の帳票や図面が存在するという状況が多いように考えられます。
レブロを活用することで、企画立案時に作成した図面を活用する事で一つの設計業務として統合が可能です。また、これまで手動で計算・作図していた機器選定および配置・ルート作図の業務を、レブロの機能により、機器の自動配置や配管の自動作図など、一定の水準まで自動作図が行えます。
見積作成についても、手拾いしていた数量集計をシステム上で拾い、Excelに出力・編集することで、シームレスに簡易的な概算を算出する事が可能です。
確認申請についても、国交省が発表した通り、2029年春よりBIMデータ審査が開始される計画となっておりますが、レブロのデータ自体がBIMデータになるため、審査方法変更後も成果物の提出に困ることはありません。
施工フローの変化について
図面作成の段階では、2DCADの場合、平面と断面がそれぞれ連動していないため、図面や各種帳票・リスト類も個別で作成する必要があります。
各種図面を統合する際には、様々なCADで作成されたデータが混在するため、データの抜け落ちや不整合箇所があり、結局手戻りが発生していました。
レブロを取り入れて頂くことで各工程の作業時間削減に繋がります。レブロは完全3DCADのため、図面作成段階では図面が全て連動し、各種帳票類を出力する機能も豊富なため、単純に作業時間の短縮を図れるだけではなく、図面すべてが連動=整合性が取れているので各工程を効率化することが出来ます。
ブースの様子
ブース内で開催したセミナーは満席になることが多く、立ち見の方も多くいらっしゃいました。また、実機でのご説明の際、初めてレブロをご覧頂く方からは「習得しやすそう」「使用者が増えていく理由がわかる」等のお声を頂きました。既にレブロをご利用頂いているユーザーからは、新機能へのお褒めの言葉のほか「将来的にこのような機能を搭載してほしい」などの要望も多数あり、レブロへの非常に高い関心・期待が見られました。
最後に
最後に、当ブース内セミナーをご覧頂いた皆様、また当社展示ブースへお立ち寄り頂いた皆様には、改めて厚く御礼を申し上げます。
次回は大阪で5月に開催される「JECA FAIR 2025」への出展を予定しております。
Rebroの最新情報ならびに出展等の情報は、当社ニュースメールより配信いたしますので、ぜひご登録ください。