JECA FAIR 2024 ~第72回電設工業展~ 展示会レポート

2024年5月29日(水)~5月31日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて「第72回電設工業展 JECA FAIR」が開催されました。本展示会は、業務効率化システムや盤メーカー、電気工事業のDX技術を紹介する業界最大級のイベントでした。ゼネコン・電気工事会社様を始め、多くの方々がご来場され、会場全体では3日間合計10万人以上となり、大盛況の催しとなりました。当社は、Rebro2024の新機能の紹介を中心にセミナー・実機でのデモンストレーションを行い、大変多くの方にお越し頂きました。本レポートでは実際にブース内で行ったセミナー内容や、プレゼンテーションセミナーの内容を紹介しております。

プレゼンテーションセミナー:CADソフトRebro(レブロ)の電気機能について

弊社NYKシステムズ 営業部グループ長の清水が、プレゼンテーションセミナーに登壇し、公演を行いました。

国土交通省が2025年度から確認申請においてIFCデータの提出が必須とする予定を発表しており、各社BIM対応が必須となっている環境であることを改めてお伝えしました。また規模別・業種別に企業のBIM導入率のデータを取りあげながら、BIMを取り巻く環境について発表がありました。

その他、電気工事会社様がBIMを導入するにあたっての懸念点・BIM導入によるメリットを天秤にかけながら、弊社のレブロの考え方、最新版Rebro2024でできることを発表いたしました。

BIMソフト導入にあたって属性情報入力などの今までの作図と異なった部分は発生しますが、将来的には作図スピードの向上や施工業務の効率化、受注機会の向上など、障壁を上回るリターンが得られること、BIMソフト導入で人材採用や生産性の向上などの、漠然とした会社の課題の解決に寄与できるといった点において、言語化してご認識いただけたという意味では、貴重な機会だったのではないでしょうか。

レブロは「電気設備におけるBIMワークフローを考えた際、設計者の判断が必要な部分と不要な部分に分け、後者を自動化していくことが省力化・効率化につながる」というユーザー様のお考えに賛同しており、属性情報をご活用いただけるような機能開発を続けています。 上記を踏まえ、Rebro2024では盤の管理の機能アップや、寸法の要素選択による一括記入などをご紹介しました。盤の管理においては、分電盤や動力盤への1次側情報の追加、配電盤の2次側へのリンクの他、外部参照図面の盤情報の取得が可能になりました。

会場は超満員となり、立ち見の方もたくさんいらっしゃいました。熱心にメモを取りながら聴講いただく方の姿が目立ちました。電気工事会社様のBIM導入は進まないとのご意見をお持ちの方もいらっしゃいますが、会場からは電気設備におけるBIMやレブロの機能・活用事例への注目度の高さが伺えました。

 

当社ブース内セミナーの詳細

会期中ブース内で行いましたセミナーの内容をご紹介します。

■新バージョンRebro2024新機能について

大きく汎用的な機能改良と電気作図の機能アップ、電気の情報管理機能の3つのテーマで発表しました。

「汎用的な機能アップ」について

寸法線・サイズ記入文字の仮表示ON/OFFコマンドを追加しました。また、要素選択して寸法線を複数個所まとめて引き出し・記入が可能になるなど、単純作業の部分を一層効率化できる機能を追加しています。

CG操作においては、CG画面上から部材から天井・床までの距離や、部材情報が確認できるようになりました。CG上で選択している部材は図面上でも連動して選択されている状態になります。 その他複数方向から断面カットした状態で、カット一覧をコンテキストメニューに表示できるようになり、選択すると該当のハサミが画面中央にくるよう視点移動するなど、CG画面上での操作性を向上させました。調整場面などでの作業効率向上が見込める機能です。

「電気作図における機能アップ」について

配線の整列コマンドを追加したほか、非常照明の取り付け高さ、照度範囲の手動設定が可能になった旨を発表しました。配線の整列については、配線が偶数本の場合でも中心位置を表示し、ワンクリックで配線を等間隔に整列させることが可能であり、ユーザー様からは「細かい気配りがありがたい」といったお声も頂いております。

「盤の管理・Qrespo連携」について

盤の管理コマンドから分電盤・動力盤に対して1次側情報を入力できるようになりました。ユーザー様ご自身で項目の追加・変更も可能です。その他複数の盤を1つの盤として振る舞うような設定や、複数盤まとめての編集にも対応いたしました。

データリンクにて、設定した項目を列として出力可能です。結線図についても、表内に有意点を持たせたことで容易に作図できます。これにより、河村電機産業様のクラウド型電気設備設計支援サービス「Qrespo」に連携可能となりました。「盤の管理」で積み上げた情報をもとに、「Qrespo」で盤サイズや重量を求め盤の選定を行うことができます。さらに今回の連携では、その選定結果を反映した盤モデルを、レブロ上に配置可能になりました。メーカーに問い合わせることで生じていた待ち時間が短縮され、より短期間でモデル完成が見込めます。

>Rebro2024新機能について詳しくはこちらをご覧ください。

 

■レブロで始める電気作図 ~2D作図の操作性について~

 レブロは矛盾のない3Dモデルを作図できる設備CADですが、従来のCADと同様の感覚で作図できます。建築設備専用CADとして「作図が早くできる」という視点から見ますと、電気図面の作図においてもその性能は高く、作業時間の短縮を実現できます。 照明器具やコンセント等を表す各種シンボルの違いや、既存シンボルに付与されている情報を利用したユーザー記号の作成、また配線接続については、配線の設定・作図・接続方法をご紹介しました。

>レブロの電気作図機能について詳しくはこちらをご覧ください。

 

■実務目線の3D電気作図

レブロの平断面が連動する様子を、キュービクルの配置、ケーブルラック・バスダクトの作図を通してご紹介しました。実製品部材で作図することができ、パーツ割りや製作・施工にかかる時間を短縮させることができます。作図者や制作業者様も含めたワークフロー全体の改善につながると考えております。支持材に関してもCGにて表現がされるので収まりや他設備との干渉をみながら検討いただけるものとなっております。自動配置を使うことでこれまでより短時間で作業を進めていただけます。

干渉検査の様子もご覧いただきました。干渉があった際の表示や解消後の表示をご覧いただきました。その他、スリーブの一括自動挿入にも対応しており、1つずつ高さと部材を設定していた手間が本機能で解消できます。作図においての時間短縮が可能です。

CG画面上から起動できるシーン機能では、CG上に文字や属性情報を記載できるほか、コメントを残すことができます。作成したシーンはPDFやExcelへの一括出力、BCFファイル出力にも対応しており他のBIMソフトにも受け渡すことが可能です。調整におけるスムーズな情報共有やスピーディーな合意形成にご活用いただける機能です。

 

>レブロの電気作図機能について詳しくはこちらをご覧ください。

 

■属性情報の有効活用

 BIM(Building Information Modeling)を導入する上で重要なのが、Information:情報の部分です。レブロは属性情報の管理が得意な設備CADであり、その活用方法は多岐にわたります。中でも盤情報や、部材の情報の利活用について、セミナーではご紹介しました。

「盤の管理」について

1番のセミナー内容に加えて、盤の機能を紹介しました。外部参照している盤情報の取得に対応したほか、複数の盤をまとめて選択し、盤の分類の編集・移動・削除・並び替えも可能となりました。BIMモデルや比較的大容量の図面上でも全体の負荷容量の確認を取りながら盤の検討が可能となっております。

 

「系統管理」について

レブロの系統管理は、配線や機器に関係なく、系統情報の保存先を用意し、振り分ける部材を選択することで系統情報を付与することができます。また、確認モードを使用すると色分けで系統を視認可能で、選択した系統は点滅表示でポップアップさせることが可能となります。例えば、盤と回路番号毎に色分けをすることで、回路番号未設定の器具が一目でわかるなど、確認作業の効率化にお役立て頂けます。

 

「拾い集計」について

拾い集計に関しては、集計範囲や対象を任意で設定できる他、属性情報を入力して作図をすることで、従来の集計はもちろん、3D作図の支持鋼材に関してはサイズや重量まで集計できる仕組みとなっていますので、是非ともご活用いただきたい機能の1つです。

 

これまでレブロでは、属性情報も全てモデル上に付与する形でデータを管理していましたが、最近ではモデルと属性情報を別で管理するような考え方も出てきています。データが重くなりすぎるといった切実な課題や、一括での部材情報変更は図面上よりもエクセル上の方がやりやすい、といったご意見もあるかと存じます。レブロはどちらの考えにも対応できるような開発を続けておりますので、今後も是非ご期待ください。

 

■レブロで広がる電気BIM

レブロは各種BIMソフトとのデータ連携が可能であり、その幅は年々広がっています。設計シーン、施工シーンごとに、データ連携の様子をご紹介しました。

設計フェーズでの業務効率化~「ルミナスプランナー」連携 / 「Lightning Flow」連携~

レブロで照明器具を配置する際「ルミナスプランナー」からの機器情報や配光データを反映させたうえで配置することが可能です。一方、「ルミナスプランナー」上で器具を配置した場合でも、照明器具情報をIFCファイルとしてレブロに取り込むことができます。この属性情報を生かし、照度分布図の自動描写が可能です。また、照明器具表・計算結果表もワンタッチで出力できます。
パナソニック社の照度シミュレーションツール「Lightning Flow」との連携では、レブロ上で設定したデータをもとに、躯体の反射や太陽光の影響などを3D画面でシミュレーションすることができます。IFC形式で配光データの授受を行うことによって、前述の照度分布図だけでなくより視覚的な確認が可能となり、合意形成にご活用いただけます。

>ルミナスプランナー連携について

 

施工フェーズでの効率化~「SPIDERPLUS」連携 / 「CheX」連携~

 「SPIDERPLUS連携」については、照度測定における連携についてご紹介しました。レブロの図面データを取り込み、位置情報などを参照したうえで各種検査を行います。「SPIDERPLUS」で行った検査結果をレブロへ取り込むことで、レブロ上から合否判定を確認できます。このように、データを相互連携させることで施工現場での確認の漏れなどのヒューマンエラーの削減といった効果が期待できる他、竣工後の維持管理にもデータを活用いただけると考えております。

一方「CheX」連携では、コンセント試験を例にご紹介しました。レブロから出力したCSVファイルを読み込むことで、「CheX」上に測定ポイントがアイコン表示されます。「CheX」側の端末とコンセントテスタをBluetoothで接続すれば、測定結果は自動で入力される他、帳票としても出力が可能です。このように、時間と労力を要した検査業務も、データ連携によって効率化を図れます。

>SPIDERPLUSとの連携について

>CheXとの連携について

 

 

ブースの様子

ブースでは新バージョンRebro2024の実機を展示し、基本的な機能から新機能、BIMソリューションとの連携をデモや動画にてご覧いただきました。 新機能については「配線の整列は便利な機能だね」「寸法線の一括引き出しのような機能がずっと欲しかった」といったお言葉などをいただきました。 他社製BIMソリューションとの連携について関心が高かったのですが、「最近レブロの名前をよく聞くようになってきた」とのことでブースにお越しいただき、初めて見るレブロの電気作図機能に「これは早く描けそうで良いね」などの感想をいただく機会が多かったことが印象的でした。最近レブロはBIMツールとして注目される機会が増えておりますが、CADとしての性能が重要であるということも、再認識できました。今後のレブロにも是非ご期待ください。

 

最後に

最後に、当ブース内セミナーをご覧頂いた皆様、また当社展示ブースへお立ち寄り頂いた皆様には、改めて厚く御礼を申し上げます。

次回は大阪で9月に開催される「JAPAN BUILD 建設DX展」への出展を予定しております。

Rebroの最新情報ならびに出展等の情報は、当社ニュースメールより配信いたしますので、ぜひご登録ください。